こんな場面を想定しています
賃貸の備え付けの風呂ふたがカビてきた、あるいは反ってきたので買い替えたい。ところが通販の商品名には「L14」「M11」「W16」といった記号が並び、それが何cmを指すのか分からない。浴槽の内寸を測ってはみたものの、既製サイズと数cmずれる。小さすぎれば湯に落ち、大きすぎれば浮いて隙間から冷める——このページはそういう状況を想定しています。
この記事が不要かもしれない人
読む時間を無駄にしないために、先に「向いていない人」を挙げておきます。
- 追い焚き機能があり、家族が続けて入ってすぐ湯を落とす家庭。保温のためのふたを買い足す実益が小さく、ホコリよけなら薄手の保温シートで足ります。
- 浴槽が円形・楕円・ステップ付きなど、長方形でない人。ここで挙げる既製品はすべて長方形前提で、オーダーカット品を扱う専門店を探すことになります。
- 浴槽の縁(フチ)が細い、または内側に大きく傾斜している人。既製の風呂ふたは縁に載せて支える前提なので、載せ代がないと使えません。
比較する基準
1. 規格記号(L14など)と実寸のズレ
最初に理解すべきはここです。「L14」は製品の実寸ではなく、適応する浴槽サイズの呼称です。今回の4製品はいずれも「適応浴槽サイズ 75×140cm用」に相当しますが、製品の実寸は73×138cm、75×139cm、75×139.2cm、75×142.5cmと、長辺で4.5cmもばらついています。理由は、縁に載せる方式(全体を縁で支える)と、浴槽内に落とし込む方式で、必要な寸法の考え方が違うためです。したがって「うちはL14」と決め打ちして買うのではなく、浴槽の内寸と縁の幅を実測したうえで、各製品の実寸と突き合わせてください。とくに巻き取り式は、丸めた状態を置くスペースも別途必要になります。
2. 方式(折りたたみ・シャッター・組み合わせ)とカビの出る場所
3方式あり、カビの出方が違います。折りたたみ式は蛇腹状の折り目が谷になり、そこに水が残ります。シャッター(巻き取り)式は細い板が多数連結された構造で、連結部の溝の数だけカビの発生面が増えます。組み合わせ式(2〜3枚割)は板と板の合わせ目だけなので溝が最も少なく、洗いやすい代わりに、外した板の置き場所が要ります。各社とも銀イオン(Ag+)による抗菌加工を謳っていますが、抗菌は菌の増殖を抑える処理であって、水を残さない構造の代わりにはなりません。洗いやすさは構造で決まります。
3. 重量(kg)
毎日開け閉めするものなので、重量は実用性を大きく左右します。今回は2.32kg〜3.2kgと1kg近い差があり、これは持ち上げて立てかける動作の負担に直結します。ただし軽さと保温性は概ねトレードオフで、軽い製品は薄く、厚い製品は重くなります。厚みは今回1.0cm〜1.5cmの範囲に収まっており、この差が保温性能にどう効くかは、各社とも比較可能な試験値を公表していないため、当サイトでは判断できません。数値で言えるのは重量と厚みまでです。